「きょうの寄り道」プログらの転載、、、。

一番おもしろかったのは、中盤、石積みをしているけんた君とすみれちゃんが、
賭けに負けた経緯について言い争うシーン。
モノローグの魅力的なシーンは時々出会うけれど、会話はなかなかないです。
おもしろかった。

けんた君はどこもよかったけど、特に、黄色いパーカーを着て障害者用トイレについて話すシーン
話は筋が通っているような変なような。で、そのことを猛烈に言いたい彼の存在感から目が離せない感じで、意味がどことなくわからないだけに、その他者性・他者という怪物を感じておもしろい。

すみれちゃん、「若さ」がおもしろかった。エネルギッシュでがむしゃらな身体感、未熟さ・アンバランスで不自由な感じ。
前回別の芝居で観たときは、お膳立てに乗っかって生き生きしてるみたいな印象だったけど、今回は自分で不自由に生きてる感じがよかった。

かずみちゃん、２週目よかった。が、何回か前、ビキニ（？）姿でヒーローモノのセリフかなにかを力入れてしゃべってたシーンがとても好きで、
どこに向かってるのかよく分からない不可解さがかずみちゃんの魅力と思っているので、ここ２回はおもしろいんだけどやや安心感がありすぎるというか、もっと冒険が欲しいというか。まあ、勝手な好みだけど。

宮崎さんすばらしい声。あの声とガタイの良さが女中たちのシーンを助けていた。今後に期待。

今回は山田さんが作・演出に専念したことがやはり効いていると思う。
前回のタッタもその前のいくつかの集団も、自分の一人台詞のシーンは責任があるけど他はよくわからないみたいな雰囲気で、芝居総体については主体がはっきりせず、面白かったこともつまらなかったことも誰にも言いようがないし、芝居全体もウスウスしている印象だった。
今回は分かることも分からないことも含めて、「自分たちの芝居」という自負をメンバーが持てている感じがあって、ちゃんと集団の表現になったことが大変嬉しかった。
一人一人魅力的でしかも伸び盛りなので楽しみです。