錦鯉タッタR(yamadarei)が演劇から考える

錦鯉タッタの山田零が、演劇から考えるブログ

TAGTAS結成プロジェクト『百年の<大逆>』開催にあたっての文章02。

◆上演「百年の<大逆>:1910-2010」

 2008年8月15日にTAGTASは設立集会を開き、マニフェスト(TAGTAS第一宣言)を公表した。われわれTAGATSはなぜ作られたのか、なにをしようとしているのか、その理念と問題意識が記されている。

 上演ではこのマニフェストに基づき、<共に>作業をし、考え、ひとつの<舞台>を作る。もちろん、これは他のプログラムと密接に連動しており、分断されてはいない。分断好きの殿様方は残念として眉をひそめることはさもありなん。

 われわれは呼びかける。われわれとはTAGTASである。


◆リーディング・パフォーマンス『魔女傳説』 作 福田善之 演出 福田善之+TAGTAS  出演 渡辺美佐子+TAGTAS

<簡単な辞書で「大逆(たいぎゃく)事件」をひくと、「幸徳秋水らの社会主義無政府主義者が、明治天皇暗殺を計画したという理由で処刑された事件。幸徳秋水は計画に直接関係はなかったが、社会主義者を葬ろうとする政府の方針のもとに、首謀者とみなされて処刑された。十二人が死刑。幸徳事件」とある。>とは戯曲中に蛇足として付け加えられた一文である。『魔女傳説』は「大逆事件」が炙り出した問題を当事者たちの個人個人が既に持ち得ている感じ方、考え方の根幹へと迫り、問題化し、管野スガという「大逆事件」に強く関わった女性を通して浮き彫りにさせていく。69年に公演されてから上演されることがなかった福田善之(1931-)の幻の戯曲を、今回はリーディング・パフォーマンスの為の改訂を施し、福田自身が演出する。