錦鯉タッタR(yamadarei)が演劇から考える

錦鯉タッタの山田零が、演劇から考えるブログ

錦鯉タッタ・公演情報。

劇団「錦鯉タッタ」第7回公演

「ちょっとまんちゅりあ、ごはんですよ
「Just a moment, it's Dinner time. 」
(愛新覺羅溥儀と愛新覺羅顯シ)


2010年2月20日(土)
     21日(日)
     27日(土)
     28日(日)
全日・夕刻05時開演(開場30分前)


於・新小岩zaza
江戸川区中央1-1-5、2階)
総武線新小岩駅南口よりバス10分徒歩4分)


予約・2000円
当日・2500円
(予約はメールのみ、(nishikigoi.tatta@gmail.com) に、公演前日までにお願いします。)


出演・岩崎健太
   藤島かずみ


   花上直人


   WAKAME
   疫縄以蔵
   麻生ユリ
   はる


構成演出・山田 零




(以下、チラシの裏の文)

 かつて「満州国」という国家があった。1932年3月1日に突如出現し、1945年8月18日に出現したときと同様に煙のように消えた。もっとも満州国を国家として承認しない場合も多い。そもそも中国は一貫して(中華民国中華人民共和国、双方とも)「偽満州国」として認めていない。中国にとっては偽であり、傀儡でしかなかった満州国は、日本においては引き上げ時の苦難も含めて、多種多様な言辞がなされている。戦後の日本のベースは満州によってつくられたというような論考さえある。もちろん、この芝居は研究論文ではないから、そこらを緻密に扱うことはしない。
 ここで扱われるのは2人の人物、愛新覺羅溥儀と愛新覺羅顯シだ。愛新覺羅溥儀は映画『ラストエンペラー』でも知られるように清朝の最後の皇帝であり、満州国の皇帝である。愛新覺羅顯シは日本名を川島芳子といい、清王朝の王女として生まれ、幼少時に日本人の養女となった女性。男装の麗人として名を馳せており、最近放映された黒木メイサによるドラマを覚えている方も少なくないかもしれない。溥儀は1906年生まれ、芳子は1907年生まれであり、生きていれば今年で104歳と103歳になる。ちなみに昭和天皇裕仁は1901年生まれ、生きていれば今年109歳だ。
 激動の20世紀を生きた彼らはその出自の特異性もあり、波瀾万丈の人生を送った。平民であるわれわれにそれを実感することはむずかしい。ただある面では、それほど遠くない一面を持っているようにも思う。加えて、大日本帝国の傀儡国家だった満州国は13年で終わりを告げたのに対し、アメリカ合衆国の52番目の州とも揶揄される日本はゆるゆると65年めを迎えようとしている。ここでも、類似と相違が交錯しているように思う。自由と責任の問題は昔も今も少しも変わっていない。


 ところで、演劇の問題は「発語」にある。今回、それらしい物語を構成しないかわりに、徹底的に物語と対峙しようと思う。それも「誰が・どのように・発語」しているか、をあいまいにせず。ふだん聞こえてこない叫び・つぶやき・戯言こそがリアルであり、それをお届けできたら、と思う。それも精一杯の歓待を加えて。開始時間を夕刻5時としているのにはそれなりの意味があります。

「ちょっとまんちゅりあ、ごはんですよ!」
お待ちしております。



(以下、あいさつ文)

厳寒の季節となってきましたが、御健勝のことと存じます。
劇団「錦鯉タッタ」の公演を御案内いたします。

今回は、2008年5月の神楽坂での公演『安穏』から1年半を空けたものとなります。昨年1月に番外編「錦鯉プチ」としての公演がありましたが、これだけ時間を空けるのははじめてのことです。ひさびさの錦鯉タッタをぜひお見逃しなきようお願いいたします。

とはいえ、メンバーもこの間いろいろと経験して参りました。錦鯉プチをはじめ、会津パフォーマンスフェスティバル・笛田宇一郎事務所・タグタス//トランスアヴァンギャルドシアターアソシエーション・独火星呼応計画などの表現現場だけでなく、それ以外の場所でも。

今回はダンスパフォーマンスの花上直人さんをゲストとして迎えています。ほかにも特別ゲストがあるかもしれません。そちらもお楽しみに。

場所は新小岩zaza、少しアクセスがよくないかもしれませんが、余所ではできない「歓待する芝居」をします。そして、開演時間が夕刻の5時であることをお間違いなきよう、よろしくお願いいたします。

加えて、事前の予約はメールのみとさせていただいております。お手数ですが、公演日前日までに、ぜひ御予約いただきたく思います。

それでは厳寒の新小岩で、zazaをあったかくして、お待ちしております。