錦鯉タッタR(yamadarei)が演劇から考える

錦鯉タッタの山田零が、演劇から考えるブログ

花上直人というパフォーマーについて少し。

花上直人というパフォーマーについて少し。


まずなにより「時間感覚」に優れている。
踊り手というのは概して時間感覚に優れているものだけれど、そういう一般論でなく、彼の時間感覚はいうなれば変わっている。ストイックで繊細で完成された、、、というのが一般の踊り手のものだとしたら、彼は真逆までは言わなくとも、かなり逆を行っている。もちろん、それでいて、鍛えられていないというのではない。さすが長年やっているなあ、と関心させられる瞬間は幾多もあり、荒れる息は使っている筋肉の量も予想させる。
けれど(いい意味で)いい加減、というか、ゆるやかさ、みたいなのはホントに類を見ない、と思う。
そこには、彼が踊り手ではなくパフォーマーであり、自ら道具をつくる美術家でもあるところも大きく影響していると思う。(実は誰もがそうなんだと思うけれど)やっていることが奇抜だとかアイデアにあふれているということはない。花上さんを語るときに「奇抜でアイデア豊富」という人がいるけれども、そうではないと思う。やっていることそのものは「ありふれて」いる。けれど、そのやり口に、微細な・変わった・ゆるやかな時間感覚があふれでている。それが彼に「独特」(オリジナル)な感じを与えている。


「なんでこうなるの」「なにこれ」、、、花上直人を見ていると、いつもこう思う。
数年前、山奥の竹林の中にちいさなテントを建て、その中にプールを設置し、そこでひたすら浮遊しながら踊るというパフォーマンスをしたことがあった。
意味わからない!なにこれ!と思ったけれど、それはそれは美しいものだった。


今回は何が出てくるのか。
劇場の入口は、彼のフォトギャラリーになっている。
それも必見かもしれない。
「やー、やるねー」とホント思う。