錦鯉タッタR(yamadarei)が演劇から考える

錦鯉タッタの山田零が、演劇から考えるブログ

仙台からの舞踏「西瓜」さん(ダンスじゃない?)。黙ってること。

はー、現在、8月2日。こりゃ、稽古が本格化するころにはココ絶対ぽしゃるな、、、。
ま、いってみよー。


本日は数日前から「宣伝」している(ここに一応、書いている)舞踏の初日。
場所は北浦和、珈琲マチェックの2階。
思えば、ここもけっこうステージ数を重ねているではないか、、、。


一昨年、劇団どくんごの芝居に出演していたという「西瓜」さんの踊り。ただ、残念ながら「火事事件」で俺はその公演は見ていない。つまり、ほとんど、顔さえ知らぬ人。
葬儀以来、あいさつしようとしてできなかったマチェックの藤井さんにあいさつし(香典をいただいた人にもあいさつして)上にあがる。おー、けっこう人いるじゃん。といっても20人くらいだろうか。それがここの、よいところであり悪いところ、である。すなわち、ここはアタタカイ。(あ、そーそー、昨年の芝居「NIP ON YEN」の劇評を書いていただいた角田さんにも開演前に会って、あいさつしたのだった。俺は目が悪いし、芝居中は客をまったく無視しているので、誰が来ていたかとか全然わからない。角田さんを認識したのは行幸といっていい。ともあれ、あいさつできてよかった。終了後に話そうとしたら、すでにいなかったのだけれど。)


そんななか、はじまる。
「まとも」。
それが第一印象。
ほぼ同世代くらいに見える、修行僧を思わせる衣装の彼女。りりしい。(言い方が変だけど)男前だ。
前知識がないからわからないけど(プラス、教養のない俺には)舞踏かダンスか、わからない。ま、そもそも、それが話題になったのは終了後の打ち上げのときなんだけど。最初はゆっくりとした、次にテクノミュージックによる雑然とした、踊り。暗転のあと、また2つのちがったテイストの踊り。
、、、まとも、ていねい、真摯、、、。
全体としてそれほど長くはないんだけど「たっぷりある」感じ。
最後に(おそらく)アンコールとして、御辞儀のあと少しだけ踊る。顔に笑みをたたえて。表情があたのはこの時間だけだったように思う。たぶん、本編では表情を「消して」いた。それが「修行僧」というイメージにもつながってる。、、、でも、俺がいちばん心に残ったのは「この笑みを浮かべた瞬間」。ま、俺が根っからの芝居屋で、踊り極意を理解する術(センス)を持たないゆえ、なのか。むー。ずいぶん前に大野一雄を見たときもそうだった。退屈だなー、これがあの(なんたらで、なんだらで、知ってる彼がああ言い、本でしか知らない彼がああ言ってた)大野一雄なのかー、ってずっと思ってた。ほとんど眠い、感じ。ただ、息子が出てきて、短い上演が終わり、長年のファンなんであろうおばさんぽい人が花束を渡し、アンコールに(サービスで?)「ちょいと踊るか」と踊ったときにはたまげた。、、、言葉はないね、って感じ。(まあ、ここはさぼり。)
死にかけの人間が片手をあげて「あー」とうめくことに対抗する演技など、そうそうできるもんではない(できやしない)という現在の俺のノリはここから生まれたのかも、しれない。ま、そんときの大野は「死にかけ」でもなくて、どっちかっていうと「かわいさ全開」だったんだけど、、、。


そこまでは言い過ぎだけど、最後にちょいと踊ったときがけっこうよかった。
、、、きびしい言い方だけど、つまり、それまでは「いまひとつ」だったということ。「まとも」で「ていねい」で「真摯に取り組んでいて」、、、ということは(打ち上げの話を加えても)疑いはない。
ただ、、、なのだ、、、。
すっごく嫌だったり、すっごく意味不明だったり、すっごくワクワクしたり、、、というのでは、なかった。


これ、自分ごととして、ホントに恐怖をともなって、降りかかってくる。
そして、俺が(いまのところ)信頼する数個のグループにも。


「すっごく嫌だったり、すっごく意味不明だったり、すっごくワクワクしたり、、、」という事態にはマグレ的要素がけっこう絡んでる。(あ、ここでサービス。たとえば、80年代の「風の旅団」とかね。)
でも、それは「あれはマグレだから」と済ませられることがらじゃない。
それはマグレを引き寄せる熱意と、なにより、そこには技術がある。ま、たいてい、その技術は「あとからしか説明のできない」ものなのだけれども。
でも、それは「技術」だ。


今日の受け入れ、劇団どくんごがやってたんだけども、あいかわらずのマイペースと、確かな歩みには脱帽する。(だから俺は抜けたんだといえるかもしれないけれど)いつもきゅうきゅうとしている俺とはずいぶんちがう。それでも「ずいぶんと話せる」のは若いころのバカを共有しているゆえ、なのか。
はー。先回りだけど、明日もけっこう遅くまで、どくんごの演出家と飲んだのだ。


最後にもうひとつ。
「本心」はどこにあるか知らないけれど(もちろん悪気はないんだろうけど)、今日の公演、「はじめて踊りを見た」という人、数人にいい評判を聞いた。「踊りに興味を持ちました」みたいな、、、。俺の頭が腐っているのか、あるいは「黙っている」という身体のあり方事態が心を動かす状況なのか。、、、少し黙ってろよ、と、いろんなところで(対、自分も含めて)けっこう思っている俺とすれば、ちよっと複雑、ちょっと謎、そして「もっと眼球を光らせろ」などと、たわけたことを思うのでした。


ともあれ、西瓜さん、お疲れさまでした。スタッフのみなさんも。
打ち上げも楽しかったし、みなさんの行動、いろいろ心に残してるみたいですよー。